稲上耳鼻咽喉科・気管食道科|津市河芸町東千里の耳鼻咽喉科

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紫陽花『万華鏡』

今年も半年が過ぎ、耳鼻科の繁忙期である春の花粉症時期がようやく落ち着いてきました。6月といえば、梅雨。いつもなら、憂鬱なこの時期ですが、今年はこの時期がくるのを待っていました。

実は1年前に、鉢植えの紫陽花を贈り物でいただきました。その鉢植えを1年間大事に育てていて、ようやく待ちに待った開花の季節がきたのです。いただいた紫陽花は、私が今までに見た事がないとても素敵な紫陽花でした。調べてみると、島根県のアジサイ研究会の農家の方が品種改良して生み出した珍しい紫陽花で『万華鏡』という名前でした。万華鏡は一般的な紫陽花よりも個々の花部分はシャープな雰囲気があり、花色のグラデーションが特徴の品種です。
八重咲きと呼ばれる花の咲き方をしていて、従来の紫陽花であれば八重咲きが密集しているものが一般的なのですが、万華鏡の場合は八重咲きでありながら、1つ1つの花に存在感があります。花びらは少し細長く、グラデーションをかけたような色の付き方が特徴的で、花が白い輪郭をかたどっているようにも見えます。花自体は大きく豪華に見えますが、繊細で可憐であり、見る角度から様々な表情を見ることができるのは、まさに『万華鏡』という名前がピッタリで、ずっと眺めていたくなるような花なのです。

私が子供の頃、母の日に紫陽花をプレゼントしたことがあるのですが、「鉢植えだと上手く育たないから地植えにしてみるとよく育つのよ」と聞いたことがあります。でも、うちはマンション住まいで地植えにはできず、この鉢植えのまま、どうにかこの可愛らしい花をまた来年も見れないか?と思い、自分なりに調べて育ててきました。

まずは花が終わった後の剪定から始まり、冬の寒い時期はただの茶色い枝だけになってしまいますが、それでも水が切れないように管理しました。紫陽花は水を好む植物のようで、下から水を吸うタイプの鉢を使っていますが、冬の時期でも早いペースで水がなくなることが分かりました。水以外には定期的な肥料も与えました。その他は温度管理です。冬場はカーテン越しに少し明るい室内に、春になってからは直射日光の当たらないベランダで育てました。
最初は、何ヶ月も葉っぱもないただの枝だけの状態で、枯れてしまっているかもしれないと思いながら、半信半疑で水をあげていましたが、暖かくなってきて少しずつ緑の葉っぱをつけてきたのを見たときは、良かった~!生きてた!!と安堵しました。

そして5月の中旬、ついに一輪が開花しました。ただよく見てみると、個々の八重咲き部分が去年のような完璧な万華鏡ではないのですが、とりあえずは花が咲いてホッとしました。今はまだ1つしか咲いていませんが、他にもつぼみがたくさんついてきて、これからどんどん開花していくのが楽しみです。
今まで雨の多いこの時期はあまり好きではありませんでしたが、この時期にしかない楽しみを見つけました。来年はもっと綺麗な花を咲かせるために試行錯誤しながら楽しんで育てたいと思います。 皆さんも、梅雨の憂鬱な時期を少しでも楽しめるような、気分の上がるものを見つけてみてはいかがでしょうか。