稲上耳鼻咽喉科・気管食道科|津市河芸町東千里の耳鼻咽喉科

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痛風

痛風というと足の親指の関節に激痛を伴う病とすぐに浮かんでくると思います。
痛風の引き金となるのは「尿酸」です。尿酸とは体内の細胞や食品に含まれるプリン体が肝臓で分解されてできる老廃物のことで尿や便と共に体外に排出されます。尿酸=痛風と考えられ悪者扱いされることが多いのですが、尿酸は抗酸化作用をもち老化や発がんリスクから守る役割があるそうです。
作られる尿酸が多かったり排出される量が少なかったりすると血液中に増えてしまいます。尿酸値の正常値は7.0mg/dl 以下ですが、これを超えこの状態が長く続くと痛風が起こりやすくなり悪影響が出てきます。尿酸値の高い状態が続くと尿酸が結晶となって関節部分に蓄積され、運動などをきっかけに結晶の一部が剥がれ落ち炎症が起きてしまい痛みが出てきます。痛みのでる場所として多いのが足の親指の付け根。それ以外に手や肘に痛みが現れる場合もあります。
尿酸値が高いと痛風発作だけでなく高血圧や動脈硬化、糖尿病、脂質異常、腎障害などを起こす可能性があると言われています。そのために尿酸値を正常域に保つことは重要であると言えます。

夏は痛風を発症する人が多いと言われています。(6〜8月)
夏に尿酸値が上がる原因として
1 アルコールの過剰摂取〜夏場は尿酸値を上げるアルコールの摂取量が増え正常値をオーバーしやすい。ビールに含まれるプリン体やアルコール自体にも尿酸値を上げる働きがあるためです。
2 脱水〜夏場は汗をかいて脱水状態に陥りやすくなります。すると、血液の濃度が濃くなり尿酸値も上がりやすくなります。水分補給は一度にたくさん飲むよりも1時間にコップ1杯の水を飲むなどこまめに摂取した方が良いそうです。

女性も油断は禁物です。
女性ホルモンのエストロゲンには尿酸の排出を促進する働きがあるので女性は痛風を起こしにくいそうです。しかし、年齢を重ねると女性ホルモンの分泌が減少するので尿酸値が上昇し通風を発症しやすくなるそうです。

尿酸値を上げすぎないために
*プリン体が多い食品(レバー、干物、白子、カツオ、エビなど)やアルコールは過剰に摂らないようにしましょう。
*水分はこまめに1日1.5〜2リットルを目安にして尿量を増やすと 尿酸の排出がスムーズになります。

*尿をアルカリ化すると尿酸は溶けて排出されやすいため 野菜や海藻類、酢を積極的にとりましょう。
*温度が低いと尿酸は蓄積しやすくなるので冷えにも気をつけましょう。
*治療薬を服用することになったら調子が良いからと言って途中で治療を止めると再発してしまうので、主治医の指示に従い、しっかりと治療を続けることが大切です。